お釈迦様は生まれてすぐに7歩進んで、右手の指で天を左手の指で地を指して
「天上天下 唯我独尊 三界皆苦 吾当安之」
とおっしゃいました。
「我々は皆、この世に二つと無い尊い存在なのだから自分を大切にしてその使命をまっとうしましょう。
私は三界の渦中にあり苦しんでいるすべての人々に安らぎを与えることを使命とします」
という意味(意訳)です。
「天上天下 唯我独尊」だけでは、
「この世で一番偉くて尊いのはただ私一人である」
とお釈迦さまが言ったと勘違いされがちです。
自尊心の強い人のことをさして「唯我独尊」といったいりするのがその一例です。
しかし、お経の中では、その後に
「三界皆苦 吾当安之」
と続くのですが、これが加わるとその意味合いは完全に否定されます。
ここでお釈迦さまはご自身のことを「吾」といっていて唯我独尊の「我」とは使い分けていることに着目してください。
辞書的に「我」と「吾」を明確に意味を使い分けるのは難しいかもしれませんが、ここでは「我」は「我々人間」もしくは「生きとし生ける全てのもの」のことをいっているのです。
これをふまえて直訳するなら「天上天下 唯我独尊 三界皆苦 吾当安之」は
「我々人間は、この世に(天の上にも下にも)二つと無い尊い存在です。
私は(その尊い命を使って)三界で苦しんでいる全ての人々を救います」
となります。
もっと言えば、
「人間は誰しも尊い存在なのだからみな自分を大切にして、お釈迦様が三界の苦を安んずるように、その使命をまっとうしましょう」
ということではないかと考えます。
この花まつりを期に、皆様がご自身のことを大切に、お大事に生活されることを祈願して、急遽、「三界皆苦 吾当安之」の一種類を追加させていただきます。